さまざまな目の病気
糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)について掲載しています。
糖尿病網膜症
糖尿病と糖尿病網膜症
糖尿病とは
糖尿病は、血糖値の高い状態が続く病気です。
現在では、成人の4人に1人が糖尿病あるいは予備軍とも言われています。高血糖状態が続くと、全身の血管がぼろぼろになり、さまざまな合併症を引き起こします。
糖尿病網膜症とは
糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症の一つで眼に起こってくる病気です。
糖尿病によって眼の中にある血管に異常が起き、血管が膨れたり、閉塞したり、破れたりします。網膜や硝子体などにも異常が起きるため、放置すると失明の危険があります。
初期の頃には全く自覚症状がありませんが、進行してくると視力が低下し始めます。
糖尿病網膜症の分類
単純網膜症
目の中の網膜に、血管のこぶ(毛細血管瘤)や点状・斑状の出血やシミ(硬性白斑、軟性白斑)などが出現します。
前増殖網膜症
網膜血管の閉塞が強くなり、網膜に酸素や栄養が十分に供給されなくなるため、網膜の機能が低下してきます。
虚血が起こっていると見た目が柔らかい感じの白斑が見られます。虚血の有無や虚血の範囲を判断するためには、蛍光眼底造影検査を行います。
増殖性網膜症
血管の閉塞が進行すると、網膜・網膜内から硝子体中に向かって新しい血管が生えてきます(血管新生)。新生血管は壁がもろく破れやすいため重篤な出血を起こしたり、血管の内容物が外へ染み出して浮腫を起こしたりします。硝子体出血や牽引性網膜剥離という他の病気を引き起こすこともあります。
治療と指導
治療方法
網膜症が軽度の場合には、糖尿病をコントロールし良好な状態を維持することで、症状が軽減・消失することもあります。
進行した場合は、薬物治療、レーザー治療、手術といった病態に応じた治療を行います。硝子体出血、牽引性網膜剥離を起こしてきた場合には硝子体手術が必要です。
高木眼科病院の「硝子体手術に関する情報」へ
高木眼科病院の「レーザー手術に関する情報」へ
当院スタッフが行っている指導
当院では糖尿病に関する指導や説明を行っています。
- 外来患者さま、入院患者さま対象
- 糖尿病手帳の説明と配布
- 内科と眼科の連携についての説明
- 糖尿病網膜症の進行に合わせた目の模型を使った病状説明
- 栄養士による栄養指導
- 入院患者さま対象
- 足のお手入れ方法や糖尿病足病変の予防についての相談会
- 足浴やアロエとオリーブオイルを使っての下肢リンパマッサージ(※ご希望の方)